読んだもの‐『花物語』

 西尾維新の『花物語』を読んだ。

花物語 (講談社BOX)

花物語 (講談社BOX)

 神原の語り部、意外とテンションが低い。
 新登場の沼地蠟花。名前かっけえ。
 貝木の意外な一面。神原に対する口調が微妙に砕けてるのが面白い。
 猫物語の時も思ったけど、女子視点から見る阿良々木さんはほんとに頼りになる先輩っぽくてうっかり惚れそうになるな。
 あまり激しいネタばれはしたくないので詳しくは言えないけど、沼地のエピソードはせつない。基本会話劇なので二人きりという構図の多い物語シリーズだけど、花物語はそれを特に強く感じる。二人しかいない寂寥とした空間で繰り広げられる、悪魔の怪異譚。

 女子が二人いれば百合にしたがる僕だけども、沼地と神原はなんかそういう感じじゃない気がするなー。二人とも言動はだいぶ怪しいんだけど、なんだろう、羽川と戦場ヶ原の絡みを見たときほど胸ときめかない。代わりに、なにか違う繋がりを感じる。友情とはまた違う、「対立する」という繋がり……? 対峙するに足る相手というのは、ある意味でかけがえのないものなのかもしれない。


 なんにせよ、非常に楽しめました。僕が西尾維新の著作を好きな理由は単純で、読んでいてとても楽しいからです。