ラブゼムラバーはぐれ旅 〜我が東京で開けサイン会〜
5月21日早朝。早朝の東京駅に、lovethemの姿があった。
この日、東京は秋葉原において、秋田禎信先生のサイン会が行われるのである。(http://tobooks.jp/diary/2011/05/post-303.html)
そしてサイン会を機に、せっかくだから秋田先生のファンでオフ会をしようではないか、という企画がツイッターにて持ち上がっていたのだ。
最も敬愛する小説家・秋田先生のサイン会。そのうえ同好の士が集まってのオフ会となれば、参加しないわけにはいくまい……。そんなわけで、人生二度目の東京旅行とあいなった。
これは、オフ会どころかまともな飲み会すら初参加であるlovethemの、オフ会レポート、および東京ぶらり旅の記録である。
5月21日
東京駅に着く。時刻は朝の6時半。サイン会は14時から、宿のチェックインも13時からなので、まだだいぶ時間がある。
とりあえず、今回の旅の目的地である秋葉原へ。
思えば、前回の東京旅行で朝を過ごしたのもここだった。ほかの店が開く時間まで、個室でビデオを見て時間をつぶしたものである。ビデオってあれだよ、洋画とかだよ。
さて今回はどうするか。前回と同じというのも芸がない。ガイドブックによれば、中央通りを末広駅方面へ向かって歩くと「ディープなアキバ」を堪能できるらしい。というわけで歩き出す。
途中のマクドナルドで朝マック。ソーセージマフィンって甘い……総菜パンとしてはどうなんだ。そして前回もおなじこと言ってなかったか。
当たり前といえば当たり前だが、ディープなアキバ、店が軒並み閉まってて面白くない。結局大抵の店は9時半から10時が開店時間なので、それまではどうしようもなく暇なのである。これは今後夜行バスに乗る時、意識しておきたいポイントだ。
とりあえず、のろのろ歩いて時間を潰す。そうこうしているうちに、駅前のヨドバシの開店時刻になった。
有隣堂へとおもむき、『ハンターダーク』と整理券を入手。「整理券の裏に秋田先生へのメッセージを書いてね!」とある。
整理番号は……48? んな馬鹿な。予約したのもかなり滑り込みだったのに? 受け取りにきた順番ってこと?
昼ごろまでヨドバシをうろついて、宿へ向かう。
チェックインまで少し時間があったので、近くのサイゼリアにて昼食。ノートを開き、秋田先生へのメッセージを考える。なんか店の抜き打ち視察に来た人みたい。
秋田禎信先生へ
小学校五年生の時に初めて読んだライトノベルが「我が過去を消せ暗殺者」でした。以来、オーフェンが心の支えです。
いつかオーフェンのような作品を書くことが僕の目標です。気が遠くなるくらい長い道のりですが、必ず。
こんなようなことを書いた気がする。何を書いていいのかほんとにわかんない……ほんとに好きなんだyo……。
チェックインを済ませると、シャワーを浴びて新しい服に着替える。当然である。むしろこの日のためにおニューのスーツを仕立てるべきなのに、そうできなかったのが悔やまれるほどだ。
14時50分、いよいよサイン会が始まった。開始直後はそれほど緊張せず、「ふふん、まああんまり取り乱した姿も先生にお見せできないからな。こんなものか」と余裕だったが、順番が近付いてくるにつれ、どんどん緊張が高まってくる。
列が進み、秋田先生の姿が見えてきた。温和で気さくそうな、ツイッターやhpでの印象そのままの方だった。
とうとう順番がやってきた。
「ライトノベルを初めて読んだのはオーフェンでした。それ以来ずっと好きな作品です」「今の僕があるのはあなたのおかげです」
言いたいことはたくさんあった。だが、いざ目の前に来て、用意していた言葉は一言も出てこなかった。
無言のまま終わるかと思われたその時、秋田先生がふと顔をあげて言った。
「それ、クラゲ?」(と、僕の胸ポケットに入れていた携帯のクラゲストラップ(はてなアイコンにも使っているアレ)を見ながら)
「クラゲです」
「風鈴の下半分がちぎれたやつかと思った」
それが唯一かわした会話となった。あのクラゲがなかったら、何も話せないまま終わっていたかもしれない。クラゲに救われたのである。ありがとうミズクラゲ。ネイチャーテクニカシリーズのミズクラゲ。ミズクラゲはいつかやる奴だと思ってた。
自分の番が終わったのちも、なんとなくその場をうろうろ。サイン会終了と同時に拍手を送ると、さっきまで並んでいた人々以外にも、店のあちこちから同じように拍手する人が。みんな考えることは同じ。
照れながら秋田先生退場。また会えるといいな。
オフ会の集合時間まで、マックで時間つぶし。
時間になって集合場所に行くも、オフ会主催者恵さん(@megyumi)の姿をまったく知らないことに気がつく。
あわててツイッターで「青い帽子かぶってる人です」と書いてうろうろしていると、megyumiさんに声をかけてもらえた。
オフ会メンバーと初対面。思ったよりも若い人、女性が多くてびっくり。※癖毛(仮名)さんがすごいイケメンでびびる。ていうかなんだこの予想以上にさわやかな集団……ほんとにここに居ていいのか俺。
少し遅れて東京でん太さん(@denta_221)が登場。
居酒屋に移動し、三つのテーブルに分かれてオフ会開始。始まっていきなり、空気を読まずでん太さんにプレゼント(オーフェンのドラマCD)を渡すlovethem。喜んでもらえたようでよかった。
会が始まってしばらくして、自己紹介。一人づつHNと好きなキャラを言っていく。……こんなにストレスのない、回ってくるのが楽しみな自己紹介わたしはじめて。
文庫版や次回作の話で静かにエキサイトする男性陣テーブル。その隣、オーフェンの女キャラの胸の話で盛り上がる女性陣テーブル。くっ……参加したい。
場が温まってきたところで席をシャッフル。オーフェンの好きな巻の話、メディアミックスのあれこれ。あと鎖骨。『オーフェンの鎖骨』フィーバー。
基本的にはオーフェンの話が多く、やっぱり秋田禎信の代表作はオーフェンだよなぁと実感。とはいえ他作品についての会話もなかなか熱い。
好きな作品について遠慮なく語れる、幸せな時間を過ごした。
オフ会解散後、でん太さんと二次会。他のメンバーもどこかで二次会やるらしく、ついて行こうかとも話したのだけど、でん太さんとはサシで話したいことが結構あったのだ。具体的には、web漫画『胎界主』についてとか。
駅近くのマックにて胎界主トーク。この作品について直に語り合える日が来るとは思わんかった。胎界主トークに花を咲かせていると、気がつけば終電間近になっていた。時間の感覚がなくなっている……? おのれ、ソロモン……!
秋田作品にも言えることだけど、複雑な要素を丁寧に織り込んで作り上げられた作品は、語ることが尽きないのが素晴らしい。
帰ろうとしたところで、オフ会の二次会メンバーに遭遇。なんと同じマックで二次会してたらしい。なんという巡り遭わせ。
5月22日
昨日はしゃぎ過ぎた余波か、起きたのは11時頃。
旅行日程の中で、この日だけは完全にノープラン。さて、どこに行くべきか。ここはやっぱりベタに、スカイツリー?
最寄り駅で降りて、スカイタワーを見る。うん……でかいね。
正直、雨が降り出していたこともあって面白いほどテンションが上がらない。適当に二枚ほど写メ撮って退散。
途中、スカイツリーストラップのガチャガチャを発見。おみやげにいいかと回してみると、なんとシークレット一発当て。いや、こんなとこで運(マナ)使うなよ。いいよ普通ので。
上野のおもちゃ屋とOIOIのヴィレッジヴァンガードに寄って、宿に帰る。
明日会う予定のZumage1さんからリプライ。明日の確認かな? と内容を見
「ちんちん」
どういうことだオイ(CV:野中藍)
5月23日
朝8時半起き。コンビニ飯をくらう。
今日はマイミクのずまげさん(@zumage1)に会う予定。ずまげさんにはオフ会の話が出る以前から、直接会って話したいと思っていた。
最近の世界情勢をかんがみるに、「会いたい人には、会える時に会っておかねばなんめぇ」と思ったのである。人生なにがどこでどうなるかわからん。本当にね。
9時、宿を発ち、待ち合わせ場所の中野ブロードウェイを目指す。駅前からすぐの商店街の中を歩いて行くと、アーケードの突き当りにそのビルがあった。
内部に入ってみると、なんだか変わった建物であることがわかる。なんというか、商店街を一つの建物におしこめたような場所だ。
エスカレーターで四階まで上がってみると、シャッター街になっていてビビる。サイレントヒルだ。ノイズか湿った足音が聞こえてきたら全力で逃げようと思いつつ、おそるおそる進んでいく。『まんだらけ 変や』という店を発見。まだ開いてなかったので、あとで来ようと位置を覚える。
B1、熱帯魚店の前でずまげさんと待ち合わせ。魚を見て時間をつぶす。赤いどじょうとか初めて見た。
ずまげさんと対面ー。マクドナルドにて初対面トーク。持ってきていた『機械の仮病』をプレゼントする。ずまげさんからは大学時代に寄稿したという同人誌を貸してもらった。知ってる人が創作したもの、というのは興味あるのでこれはうれしい。
中野ブロードウェイ巡り。古書店で昔のエロ漫画買ったり、本屋でお薦めのマンガ交換したり(『鈴木先生』と『ふうらい姉妹』)。
目をつけていた変やにも行ってみたが、そんなに変でもない。普通に、昔懐かしいレトロなおもちゃを売っている店、という印象だった。
中野を出て遅めの昼食を取りにいく。道中、ずまげさんが面白い自販機をやっていた。1000円の自販機。
出てきたのは、キーホルダーサイズの……「電マ」。いや、うん、出先で急にマッサージしたくなった時とか便利。ねえ。
昼食も兼ねてカラオケに行く。歌ったり歌わなかったり、雑談しながらゆるく二時間ほど過ごす。こういうカラオケもいいもんである。
夕方、秋葉原で同人誌店巡り。水あさとさんの『ワルプルギスで朝食を』が見つからない。あと赤提灯さんの世界樹本とかモゴモゴ
東京駅にて、東京土産チョコラスクを買い、ずまげさんとお別れ。今はツイッターやらなにやらがあるので、こういう時の別れが軽くできるのがよい。それでも寂しいけど。
カフェでバスを待ち、京都へと帰宅する。これにて、東京はぐれ旅終了。
まとめ
二回目の一人旅となる今回も、特にトラブルに見舞われることなく楽しめた。人間的にも一皮むけて、一回り成長できた気がする。具体的には二令幼虫→三令幼虫くらい。
ネット上でつきあいのある方と実際に会う、というのも二度目なわけだが、いやはや、やはりツイッターやブログの文章というものは、なんだかんだでその人となりがにじみ出るのだなあ、ということがよくわかったw。*1この旅で出会った人たち全員が、本当に「もう一度会いたい」と思わせるような人ばかりだった。これってなかなか得難い幸福ではないだろうか。
またこういう旅ができたらいいな、と素直に思うlovethemだった。
*1:どういう意味って、「みんな愛してる」ってことだよ言わせんな恥ずかしい。